持ち家か賃貸かどちらがお得か?「最強の早期リタイア術」の著者から学ぶ判断基準 

 

持ち家か賃貸がどちらがお得?

よくお客様に聞かれる質問のひとつです。
正直なところどちらがお得かどうかはわかりません。

個人的には理想のライフスタイルの実現が、持ち家か賃貸かどちらの方が実現できそうかで判断するほかないと思います。
答えは人それぞれで正解はないのではないかと思います。

ただ、判断するのには色々な目安を決めていくことは大切なことだと思います。

30代でセミリタイアした方が執筆した
FIRE 最強の早期リタイア術」–最速でお金から自由になれる究極メソッド

という本の中で著者が「投資」という観点で持ち家と賃貸のどちらがお得か、
具体的な判断基準について興味深いことを述べていたので、紹介したいと思います。

 

マイホームは投資ではない

 

簡単に本の内容を説明すると、30代でセミリタイアをした著者が、実際にどのような過程で経済的自由を実現していったのか。
投資や貯蓄、仕事についての具体的な考えや方法について書かれている本です。

 

ベースオン
海外ではFIREという言葉で若者を中心にセミリタイアをしている方が多いみたいですね

 

この本の中で著者は「マイホームは投資ではない」。と述べています。

その理由は、家を所有するには物件の価格以上に出費が伴うといことだからです。

確かに、賃貸とは違い、家を購入するには大きな金額がかかります。
ローンの利息・仲介手数料・固定資産税・修繕費・保険・・・。

賃貸と比べて様々なお金がかかりますよね。
著者は仮に不動産価格が順調に上昇していっても割に合う可能性は低いと考えています。

ただ本書にも書いているのですが、誰かに賃貸する目的で買うことは優れた投資になり得ると考えているようです。

 

ベースオン
賃貸用不動産(投資)と自分で住む家(実需)は別で考えるべきだということですね。

 

このことについては私も同意します。
不動産業者の観点からマイホームは投資に向いていない理由ついて私の考えを述べたいと思います。

 

マイホームを投資の観点で購入するには向かない

 

本書のなかでは、家を購入する際の諸費用、維持費が大きいため、不動産価格が値上がりしても割に合う可能性が低いと述べています。

その他にも私自身が思う、マイホームを不動産投資の観点から購入するには向かないと思う理由があります。

 

  • 投資対象の分散ができていない
  • 節税対策が難しい
  • 価格の値上がり時に売却できても同じタイミングで購入するのでは?

 

このような理由があると考えています。

投資対象の分散ができていない

有名な投資の格言のひとつに「卵はひとつのカゴに盛るな」
ということわざがあります。

卵を一つのカゴに盛ると、そのかごを落としたら全部割れてしまう。
複数のカゴに分けておけば一つのカゴを落としても他のカゴの卵は割れずにすむ。

という意味ですが、簡単にいうと「複数の商品を買ってリスク分散をしなさい。」
ということです。

これをマイホームを投資という観点で考えてしまうと、卵を一つのカゴに盛っている状態になりますよね。

複数の物件を購入することで、ひとつの物件が空室や価格が下落しても、他の物件でカバーすることでリスクを分散するのが投資の常とう手段ですが、
マイホームだけでは1極集中になってしまい、投資資産と考えるとリスクが高すぎます。

 

ベースオン
価格の将来価値を見極めることはプロでも難しいのでリスク要素が高いですね。

 

節税対策が難しい

 

不動産投資を事業としてやれば、ローンの利息・固定資産税・減価償却など、色々なものを経費として落とすことができます。

経費を利用することで利益を圧縮し節税をすることも可能ですが、
マイホームを購入することは基本的に投資することで

 

ベースオン
不動産投資とは税金の面でも根本的に違うということですね。

 

価格の値上がり時に売却できても同じタイミングで購入するのでは?

 

運よく物件の価格が上がって購入した金額よりも高く売却できたとしても、次に住む家を探さないといけませんよね?

不動産の価値は株などと違って基本的には数年かけて緩やかに上下します。
もし、同じような価格が高い時期に買い替えてしまうと、今度は高値掴みしてしまう可能性もでてくるのではないでしょうか?

先ほどのお話しのように不動産を売買する際は大きな金額がかかります。
なかなか良いタイミングで購入・売却できても費用を考えると大きな利益を上げないといけないですね。

 

150の法則で賃貸か持ち家の判断基準を決める

 

投資の観点からすると持ち家は買ってはいけない感じになっていますね・・・。

ただそのなかでも本書の中では、賃貸か持ち家、投資の観点からどちらがお得か著者の判断基準について述べています。

それは150の法則を使って判断をするということです。
どういうものかというと、

毎月の住宅ローンの返済額に150%(1.5倍)をかけた金額が毎月の賃貸の家賃を上回るようなら賃貸の方が割にあう。
というものです。

 

  • 住宅ローンの返済額×1.5<賃貸の家賃 ⇒持ち家の方がおとく
  • 賃貸の家賃<住宅ローンの返済額×1.5 ⇒賃貸の方がおとく

 

例えば、
今住んでいる賃貸家賃の家賃が10万円。
購入を検討している家の住宅ローンの月々の返済額が8万円。とします。

 

10万円(賃貸の家賃)<8万円×1.5=12万円(返済額×150%)

家賃の方がおとく

となる計算です。

ベースオン
賃貸の家賃と月々の返済額だけで判断するのには危険ということを書いています

 

では、なぜこのような計算式になるのでしょうか?

アメリカでは調査によると平均して9年間同じ家に住み続けるそうです。
標準的な30年ローンの場合、この9年間の返済額のおよそ5割が利息・5割が諸費用の支払いになる計算になるそうです。

持ち家に伴う追加費用は9年という期間では、毎月の返済額の5割の追加額を占めるため返済額の1.5倍(150%)をかけた金額を実際の費用としてみなす。
ということです。

この1.5倍の金額が今の家賃より低ければ、利息や諸費用を加味してもお得。
ということだそうです。

1.5倍という根拠は利息と追加費用の割合から出したものということですね

注意が必要なのは、アメリカでの話なので日本とは税金や諸費用の額は違います。
計算では9年の住み替えですが、日本の場合は売却せずに一生住み続けたり次の世代に受け継ぐこともありますからね。

その場合は持ち家の方が断然お得ということになります。
あくまで目安の参考ということですね。

 

ベースオン
考え方としては非常に面白いと思いました!

 

まとめ

 

「最強の早期リタイア術」の著者は、家の購入を損得として、考えるなら

  • 住宅ローンの返済額×1.5<賃貸の家賃 ⇒持ち家の方がおとく
  • 賃貸の家賃<住宅ローンの返済額×1.5 ⇒賃貸の方がおとく

 

今日のコラムの内容だと、持ち家はあまり得ではないんじゃないか?
とおもうかもしれませんが、決してそうではありません。

お金の損得ではなく、理想のライフスタイルの実現が持ち家か賃貸か、どちらの方が実現できそうかで判断するほかないと思います。

将来、金銭面に関して得するか、損するかなんて答えがわかるのは何十年後の話です。

ただ、大きな金額の買い物をします。
家を買う前にしっかりと計算することもとても大事なことですね。

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